大名行列を描いた絵画などではかぶり笠を携える人が描かれていることがあります。この記事では、台笠(だいがさ)と呼ばれるかぶり笠について説明します。
高い身分の人が外出する際の飾り笠? 台笠
台笠とは、身分が高い人が外出する際の飾り笠であり、長柄の先に傘をかぶせて、さらにその上から袋を被せたものです。小者や中間などの武家奉公人が台笠を担ぎ、身分が高い人に付き従います。
大名行列では、本陣に駕籠(乗物)に乗った大名がいますから、台笠を担ぐ者も本陣に含まれています。
雛人形にも
雛人形の十五人飾りや十七人飾りといった豪華なものになると、官女や楽人、随身(ずいしん)に加えて、仕丁(しちょう)が加わりますが、この仕丁にも台笠を持つものがいます。
仕丁は従者や衛士(律令制下において諸国の軍団から上洛して宮中を護衛する任務に就いた兵士)を表しています。台笠をもつのは従者の仕事ですので、仕丁がこの役割をやっているわけです。
台笠の種類
台笠に用いる笠は菅笠を用いるものが本式であり、塗笠を用いるのは略式でした。
菅笠(すげがさ、あるいは、すががさ)は菅(すげ、すが)の葉を編んだ被り笠です。越中福岡(現在の富山県高岡市福岡地区)は菅笠の生産地として古くから知られており、現在でも、「越中福岡の菅笠振興会」が活動しており、制作技術を継承し、全国のシェアの90%以上にあたる菅笠を生産しております。
塗笠は、檜や杉の板材から薄く剥いだものに和紙を重ねて漆をぬったものです。江戸時代初期は、被り笠としては若い女性が使用するものでした。

なお、陣笠は、丈夫な竹で網代を組み和紙を重ねて墨で染めた後に柿渋を塗って作成するものであり、矢や刀から身を守るための防具で混同されやすいですが別物です。
陣笠は手に持って盾として使用することもできました。また、鉄製の陣笠も存在し、よく洗って簡易的な鍋として使用することも出来ました。味噌やその他食材を放り込んで煮炊きをしていたのです。
