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大名行列のルール

1635年に改訂された武家諸法度により、参勤交代が制度化され、各地の大名が江戸を往復するようになりました。

この往復する際に各地で見られたのが、大名行列です。

全国各地で風習も違う中、どのようなルールで大名行列は行われていたのでしょうか?

本記事では、大名行列のルールについて、さまざまな側面からまとめます。

目次

大名行列のルール

大名行列といっても、北は松前藩から南は薩摩藩まで、遠く離れた土地から江戸にやってきており、それぞれの風習が異なります。

完全に同じルールで行われていたかというと、例外もあったようですが、ここでは代表的なものを中心にまとめます。

大名行列の順序

大名行列の順序は、各大名によって異なります。

姫路藩の大名行列の順番は下記のようになっていました。

先払い:大名行列の先頭に立ち、周囲を警戒すると共に交通の障害を取り除き、「下に~、下に~」「片寄れ~、片寄れ~」などの掛け声で、人払いなどを行っていた。

弓隊:弓を備える前衛部隊で、弓と矢を一緒に仕舞う「弓立て」に入れて運んでいました。

槍隊:槍を備えた前衛部隊で、家の格などにより槍の色や鞘の形などが幕府により決められており、どの大名かが槍を見れば一目瞭然でした。

鉄砲隊:鉄砲足軽で構成された前衛部隊で、江戸に持ち込むために鉄砲手形を備えて運んでいました。

本陣:大名は籠に乗り、その周囲を大名の世話をする中小姓や、側近が囲んで隊列を組んでいました。

輜重隊:大名の生活をまるごと移動させるため、長持などの容器に必要な物資をいれて運んでいました。

大名行列の規模

大名行列の規模は、元和法度にて、100万石以下20万石以上の大名は20騎以下、10万石以下の大名は分に応ずるよう定められました。

しかし、実際は、諸大名が互いに競い合い、威勢を張った結果、少なくとも100人を下らない規模になりました。

例えば、加賀藩の前田氏は、4000人規模の大名行列を組んでいたと言われています。

大名行列の特権

各藩の大名が、隊列を組んで移動するため、大名行列にはいくつかの特権がありました。

今の時代から考えると、びっくりするような内容もありますが、当時はそれだけ身分の違いがあったということなのでしょう。

土下座

大名行列の中でも、最も特権が強かったのが、将軍家と御三家です。

将軍家と御三家の大名行列の場合には、「下に~、下に~」の掛け声とともに、庶民に土下座をすることを強要しました。

江戸時代を支配していたのは将軍家と、その血筋である御三家なので、当たり前のように受け入れ土下座をしていました。

将軍家と御三家以外の大名行列では、土下座をすることはなく、道を開けて見物していたようです。

川留

江戸時代には、現代のように橋が多くかかっていたわけではなく、渡し場から船に乗り向こう岸にわたる場所が多くありました。

大名行列が通行する際には、川留を行い、一般庶民の通行を禁止して、優先的に川を渡るようにしていました。

斬り捨て御免

斬り捨て御免とは、武士に対して無礼を働いた庶民を斬り捨ててもよいという制度です。

大名行列に対しても適用されており、行列を横切るなどの無礼な行為があれば、斬り捨てて構わないとされていました。

ただし、実際に斬り捨てが行われたかといういと、それほど数は多くなく、実際は身柄の拘束や、見逃されることの方が多かったようです。

大名行列の道筋

大名行列の道筋は、江戸幕府によって定められていました。

全体の6割の大名は東海道を利用し、東国の大名は陸路、四国、九州の大名は、瀬戸内海を船で横断し、大坂より陸路をとっていました。

行列の最中は、謀反などを起こさぬように幕府によって管理・監視されており、夜の通行は禁止されていました。

大名行列がすれ違う時

大名行列がすれ違う際には、予期しないトラブルが起こらないとも限らない。

行列の進行に先立って偵察を用意し、宿場の休憩が重ならないように調整を行ったりもしました。

すれ違いの際には、道の脇を通り、笠をとりお辞儀をして下座をするというのが作法で、刀が触れないように左側通行がルールでした。

御三家などの格上とすれ違いそうになると、道を変えて出会うことを避ける場合もありました。

大名行列の持ち物

大名行列の際の持ち物としては、楽器、鷹狩りの鷹、日傘、茶、弁当、椅子なども携行し、特定の大名にのみ許された物もあった。

変わったものだと、同行する料理人が使う調理用具、漬物石や、宿などで大名が寝床につく際に、下から刃物で突かれないようにする鉄板や、大名の排泄物も持ち歩いていたようです。

他の大名の領地を通りすぎるとき

参勤交代で移動する場合に、他の大名の領地を通過しなければなりません。

通過する大名を迎える側の大名は、お客様として無償のサービスを提供することが通例となっていました。

提供された側の大名は、返礼することが必要とされており、旅程が長い大名はそれだけ返礼を用意しなければなりませんでした。

まとめ

ここまで、大名行列のルールについてまとめました。

時代劇などで見られる大名行列は、ほんの一部分を切り出したに過ぎず、こうやって深く知ると面白いですね。

大名行列のルールを通じて、当時の人たちの営みを垣間見ることができます。

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