MENU

大名行列で周りの人(民衆・庶民)が土下座するのはなぜ?農民・町人だけじゃなく公家も頭を下げる?

参勤交代などで、大名が移動する際に構成されていた大名行列は、周りの人(民衆・庶民)に土下座をさせていたイメージがあります。

時代劇や映画などで、そのようなシーンが描かれていますが、なぜ土下座を行わせていたのでしょうか?

また、農民・町人だけじゃなく公家であっても、頭を下げる必要があったのでしょうか?

本記事では、大名行列の土下座に着目して、なぜ行われていたのか、行われない場合もあったのかなどまとめます。

目次

大名行列で周りの人(民衆・庶民)が土下座するのはなぜ?

大名行列で周りの人(民衆・庶民)が土下座するのはなぜ?という疑問を持たれている方も少なくないでしょう。

実は、全ての大名行列に対して周りの人(民衆・庶民)が土下座をしていたわけではないのをご存知でしょうか?

ここでは、土下座をして頭を下げる対象の大名行列と、土下座をせずともよかった大名行列について解説します。

土下座をして頭を下げる対象の大名行列

土下座をして頭を下げる対象の大名行列は、将軍家または御三家に限られていました。

これらの大名の行列では、先導する藩士が「下に~、下に~」の声と共に、周りの人に土下座を強要していました。

当時の日本を支配している将軍家と、その血筋にある大名とが、支配される庶民という図式を作っていたわけです。

支配者に対して、土下座をすることは、当時の常識としては当たり前だったようです。

土下座をせずともよかった大名行列

将軍家または御三家を除く大名の行列の場合は、周りの人に土下座を強要することはなく、「片寄れ~、片寄れ~」または、「避けい、避けい」などの掛け声で、道を開けるよう指示していたのみです。

将軍家と御三家を除く大名は、庶民と同様支配される側という点で同格であったため、土下座は不要だったとの説があります。

農民・町人だけじゃなく公家も土下座をしたのか?

ここまで、大名行列の際の土下座についてまとめました。

一方で、将軍家と同様に権力を持っていた公家は、土下座を行っていたのでしょうか?

これは、任命されている官位によって、対応が違っていたようです。

将軍家、または御三家の官位と、公家との官位の上下関係が、土下座をするかどうかを決めていました。

ここからは、官位について解説します。

官位とは?

官位とは、朝廷が任命をする官職と位階のことを指します。

官職には、関白、太政大臣、左大臣、右大臣、内大臣、大納言、権大納言、中納言などがあります。

位階には、正一位、従一位、正二位、従二位、正三位、従三位などがあります。

この位の上下をもって、公家であっても上位の行列に対しては、土下座をしていたと言われいます。

将軍家の官位は?

将軍家だからといって、全て同じ官位だったわけではありません。

例えば、将軍家の中で最高位に任命されたのは、徳川家康、徳川秀忠、徳川家斉の従一位太政大臣です。

その他の将軍に関しては、従一位、正二位まで任命されています。

土下座をしない場合、周りの人はどうしていたのか?

大名行列に遭遇した際に、土下座をしないのであれば、周りの人はどうしていたのでしょうか?

江戸時代の庶民にとって、娯楽は限られており、大名行列の見物は娯楽の一つでした。

各大名が見せる絢爛豪華な大名行列は、まるで現代のテーマパークで見られるパレードのようだったのでしょう。

大名にとっても、庶民に見られ、他の大名と比較されるでしょうから、より見栄をはるようになったかもしれません。

時代劇に出てくる大名行列のシーンの多くは間違い

時代劇に出てくる大名行列では、土下座を強要されるシーンが見受けられます。

しかし、ここまでで述べた通り、土下座を強要されるのは将軍家・または御三家の大名行列のときのみです。

水戸黄門が諸国漫遊の旅の途中で、大名行列に遭遇した際に土下座をするシーンがありますが、実際はそのようなことはなかったでしょう。

歌川広重「東海道五十三次」の描く大名行列

当時の庶民の娯楽だったという証明として、浮世絵に大名行列が描かれています。

有名な作品だと、歌川広重の「東海道五十三次」です。

東海道は、江戸幕府によって整備された五街道のひとつで、日本橋から京都までつながっていました。

大名行列でよく利用される街道の一つでした。

歌川広重とは?

歌川広重は、江戸時代後期の浮世絵師で、安藤広重とも言われます。

代表作に、「東海道五十三次」「名所江戸百景」があり、ヨーロッパやアメリカでも高い評価を得ています。

1833年に誕生した「東海道五十三次絵」は、立体的な描写などが好評を博しました。

大名行列はどのように描かれていたか

歌川広重の「東海道五十三次」には大名行列と庶民の姿が描かれており、行列と庶民との距離の近さが感じられます。

「日本橋」では、魚屋の行商と、出発前の参勤交代の大名が描かれています。

「品川」では、大名行列を茶屋の人たちが立ったまま、見送っている様子が描かれています。

まとめ

ここまで、大名行列で周りの人(民衆・庶民)が土下座する理由や、公家の対応などについて解説しました。

時代劇や映画でイメージしていた大名行列と、実際の大名行列との違いに戸惑われたかたもいらっしゃるかもしれません。

当時の庶民にとって、娯楽という側面のあった大名行列と考えると、イメージが大きく変わりますね。

歌川広重も描いたように、現代でもお祭りなどで再現される大名行列は、庶民に愛されていたのでしょうね。

ともだちにシェアする
目次